糖尿病は、患者数の増加が懸念されている病気の一つです。
その予防や治療の方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
糖尿病が疑われる場合、あるいは実際に糖尿病になってしまった場合、まず気を付けなければならないのは食事や運動といった生活習慣を見直すことです。
それでも症状が改善しない場合には、薬物による治療が行われることもあります。
ここでは、糖尿病予防のために気を付けることや治療方法について具体的に見ていきます。
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<目次>
糖尿病予防・治療のための食事
糖尿病予防・治療のための運動
治療薬
まとめ
糖尿病予防・治療のための食事
糖尿病の予防・治療のためにまず見直したいのが、食事です。
何を食べればよい、何を食べてはいけないということではなく、規則正しい食生活を送ることが大切です。
具体的には以下のような点に気を付けましょう。
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必要なエネルギー摂取量は?
糖尿病の食事療法においてまず大切なことは、自分に必要なエネルギー量を知り、エネルギー摂取が過剰にならないようにするということです。
推定エネルギー必要量は、基礎代謝量×身体活動レベルで表すことができます。
<エネルギーの食事摂取基準:推定エネルギー必要量(kcal/日)>
性別 |
男性 |
女性 |
||||
身体活動レベル |
I |
II |
III |
I |
II |
III |
0~5(月) 母乳栄養児 |
- |
600 |
- |
- |
550 |
- |
人工乳栄養児 |
- |
650 |
- |
- |
600 |
- |
6~11(月) |
- |
700 |
- |
- |
650 |
- |
1~2(歳) |
- |
1,050 |
- |
- |
950 |
- |
3~5(歳) |
- |
1,400 |
- |
- |
1,250 |
- |
6~7(歳) |
- |
1,650 |
- |
- |
1,450 |
- |
8~9(歳) |
- |
1,950 |
2,200 |
- |
1,800 |
2,000 |
10~11(歳) |
- |
2,300 |
2,550 |
- |
2,150 |
2,400 |
12~14(歳) |
2,350 |
2,650 |
2,950 |
2,050 |
2,300 |
2,600 |
15~17(歳) |
2,350 |
2,750 |
3,150 |
1,900 |
2,200 |
2,550 |
18~29(歳) |
2,300 |
2,650 |
3,050 |
1,750 |
2,050 |
2,350 |
30~49(歳) |
2,250 |
2,650 |
3,050 |
1,700 |
2,000 |
2,300 |
50~69(歳) |
2,050 |
2,400 |
2,750 |
1,650 |
1,950 |
2,200 |
70以上(歳)1 |
1,600 |
1,850 |
2,100 |
1,350 |
1,550 |
1,750 |
(厚生労働省「エネルギーの食事摂取基準:推定エネルギー必要量(kcal/日)」より抜粋
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/11/h1122-2a.html)
三食をバランスよく食べる
糖尿病予防・治療の食事で大切なのは、1日三食をきちんと食べることです。
朝食を抜いて昼食をたくさん食べるような食べ方は内臓に負担をかけ、症状を悪化させます。
糖尿病では何か特定のものを食べればよいということではなく、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミンやミネラルといった栄養素をバランスよく取り入れることが必要です。
ただし炭水化物の摂り過ぎは血糖値の上昇を招きやすいほか、脂質や塩分の摂り過ぎが糖尿病の症状や合併症を悪化させることがありますので注意しましょう。
食物繊維を多く含む食品を積極的に摂ると高血糖改善に役立つと言われています。
外食やインスタント食品を控える
外食やインスタント食品はエネルギー量が多くなったり、栄養バランスが偏ったりしやすいと言われています。
ですから、糖尿病の予防・治療のためにはなるべく控えることをおすすめします。
最近ではレストランのメニューなどにもカロリーや栄養の表示がなされるようになっていますので、注文する前にチェックしてみましょう。
また、丼物や麺類を単品で食べるよりも、おかずや汁物がセットになったメニューのほうがおすすめです。
参考:
「糖尿病に関するQ&A」公益社団法人日本糖尿病協会
https://www.nittokyo.or.jp/modules/beginner/index.php?content_id=5
糖尿病予防・治療のための運動
糖尿病の予防・治療においては、食事同様運動も大切です。
運動そのものによってエネルギー消費が進み、高血糖改善効果が期待されるということはもちろんですが、運動を継続して行うことにより、インスリンの働きがよくなるといった効果が期待されています。
運動にはそのほかにも、血流改善やストレス解消などの効果も期待されており、糖尿病合併症の予防にもつながります。
運動の内容としては、ウォーキングや水泳といった有酸素運動がおすすめです。
運動強度は、自覚として「ややきつい」「楽である」と感じる程度、具体的には運動時の心拍数が50際未満では1分間100~120拍以内、50歳以上では100拍未満が目安とされています。
できれば毎日続けるのがよいですが、少なくとも週に3日以上行うようにし、1回20~60分程度、1週間の合計が150分以上になるようにしましょう。
また、これと併せて腕立て伏せやスクワットといったレジスタンス運動を行うとよいとされています。
ただし糖尿病患者の方で空腹時血糖値が250mg/dL以上のとき、合併症が進行しているとき、薬を服用していて低血糖が起こる恐れがあるときなどは自己判断での運動を中止し、医師に相談するようにしてください。
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参考:
「糖尿病を改善するための運動」e-ヘルスネット 厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-005.html
糖尿病の治療薬
食事療法や運動療法を続けても血糖値がコントロールできない場合には、薬物による治療が行われます。
糖尿病の治療薬は大きく、経口血糖値降下薬とインスリン製剤の2つに分けることができます。
経口血糖値降下薬には、インスリンの働きをよくする薬や、インスリンの分泌量を増やす薬、食後の血糖値上昇を抑える薬、糖の吸収を抑える薬などがあり、それぞれ働きかける臓器が異なります。
症状によってこれらを1種類、あるいは複数種類組み合わせて使用することになります。
インスリン療法はインスリンの分泌がほとんどなくなる1型糖尿病では不可欠な治療法となりますが、2型糖尿病でも血糖コントロールが悪い場合や経口薬が合わない場合、腎臓や肝臓の働きが悪い場合などには必要となることがあります。
薬物治療を行う上で注意しなければならないのが、低血糖です。
薬の量が多い場合、あるいは薬を使っていて食事量が少ない場合や運動量が多い場合などには、血糖値が低くなりすぎてしまう危険性があります。
この場合にはブドウ糖を含むジュースなどを補給する必要があります。
また万が一低血糖が起きた場合に備えて、自分が糖尿病であることを示すカードなどを携帯しておくとよいでしょう。
参考:
「薬のはなし」国立国際医療研究センター糖尿病情報センター
http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/100/index.html
まとめ
それでは最後に、糖尿病の予防・治療についてまとめておきます。
・糖尿病の予防・治療のために、自分に必要なエネルギー摂取量を知り、過剰にならないように注意する
・1日三食、栄養バランスを考えて食事をすることが大切
・外食やインスタント食品はなるべく控え、利用する場合にはカロリーや栄養表示をチェックする
・運動によって高血糖改善やインスリン抵抗性改善が期待される
・糖尿病の予防・治療には、ウォーキングなどの有酸素運動を週3日以上続けることが望ましい
・糖尿病の薬物療法では、経口血糖値降下薬またはインスリン製剤が用いられる
・薬物治療中には低血糖に気を付ける必要がある
参考文献:
公益社団法人日本糖尿病協会 https://www.nittokyo.or.jp/
厚生労働省e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp
国立国際医療研究センター糖尿病情報センター http://dmic.ncgm.go.jp/