熱中症を予防するために知っておきたい6つのこと

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熱中症発生のニュースは、毎年のように聞かれるようになりました。drinking_sun_water
熱中症が死に至ることのある恐ろしいものであることは今や広く知られています。
真夏の屋外での作業時などは、熱中症予防に努めている方も多いかもしれませんね。
しかし熱中症は思いがけない時期・場所でも発症することがあり、注意が必要です。

熱中症を予防するためにまず大切なことは、熱中症についての正しい知識を持つことです。
熱中症とはそもそもどのようなものか―
どのようなときに起こりやすいのか―
なってしまったらどうすればよいのか―
予防する方法とは―

熱中症にならないために知っておきたい知識をまとめました。

(1) 熱中症とは
1-1熱中症の定義
1-2熱中症が起こるメカニズム
1-3分類
1-4患者数
(2) 熱中症の原因
2-1熱中症を引き起こす環境・からだ・行動
2-2暑さ指数とは
2-3室内でも熱中症になる?
2-4赤ちゃん・子供の熱中症
2-5高齢者の熱中症
2-6熱中症と水分不足
(3) 熱中症の症状と分類
3-1熱中症の初期症状は?
3-2めまい
3-3筋肉痛
3‐4頭痛
3-5下痢
3-6熱
(4) 熱中症になったら
4-1応急処置
4-2医療機関への輸送
(5) 熱中症の予防と対策
5-1暑さ対策
5-2体調管理
5-3行動
5-4対策グッズ
(6) 熱中症にならないための水分補給の仕方
6-1何を飲むか
6-2どのくらい飲むか
6-3どのように飲むか
(7) まとめ

(1) 熱中症とは

 1-1熱中症の定義

熱中症とは、暑熱や運動などといった高温環境下で起こる障害の総称です。
熱中症の症状はめまいやこむら返り、頭痛、吐き気、意識障害など軽度のものから重度のものまで様々あり、最悪の場合には命を落としてしまうこともあります。

かつては「日射病」という言葉がよく使われていたのを覚えている方も多いのではないでしょうか。
日射病も熱中症の中の一つであり、特に夏場の暑い日差しが原因となって起こる障害のことを指します。
しかし必ずしも日差しが強い時だけではなく、くもりの日や室内であってもこのような障害が起こることから、最近では熱中症という言葉が広く使われるようになっています。
また、似たような言葉でも「熱射病」というのは熱中症の中でも特に重度の状態を指す言葉として使われています。

近年、初夏から秋にかけて毎日のように熱中症のニュースが聞かれるようになっています。
熱中症は死に至ることもある恐ろしいものですが、その原因や発症のメカニズムを知ることにより、予防することが可能なものでもあります。
「今日はそれほど日差しが強くないから大丈夫」
「自分は熱中症にはならないだろう」
などとは思わず、一人一人が熱中症についての正しい知識を持ち、対策していくことが大切なのです。

1-2熱中症が起こるメカニズム

では、熱中症はどのようにして起こるのでしょうか。

私たち人間の体は通常、外気温に関係なく体温を一定に調整する機能を備えています。
運動や高温下で体温が上昇した時には、毛細血管が拡張することで皮膚に多くの血液が分布し、外気への熱伝導を行うことで体温を下げています。
また暑い時には汗を多くかきますが、これも汗が蒸発する際に皮膚の熱が奪われ、体温を下げるという作用があるのです。

しかし何らかの原因によってこの仕組みに異常が生じること、神経や血液、筋肉など体の様々な部分に影響が現れることになります。
例えば皮膚への血液が集中することで脳に血液が届かず脳貧血になったり、多量の発汗によって水分や電解質不足することでこむら返りや頭痛が生じたりすることがあります。
また、外気温や湿度が異常に高い場合には、熱伝導や汗の蒸発そのものがうまく行われずに体温が上昇してしまいます。
このようにして起こる障害すべてをまとめて、熱中症と呼んでいます。

1-3分類

従来医療現場などでは、熱中症をその症状から以下のように分類していました。

【症状から見た診断】
(1) 熱失神
めまい、立ちくらみ、失神
(2) 熱けいれん
筋肉痛、筋肉の硬直
(3) 熱疲労
頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感
(4) 熱射病
Ⅱ度の症状に加え、意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温

一方近年では、熱中症への早期治療の必要性から新たに重症度によって分類した「日本救急医学会熱中症分類」が採用されるようになっています。

【重症度による分類】
(1) Ⅰ度
≪症状≫
めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、意識障害を認めない
≪治療≫
通常は現場で対応可能 → 冷所での安静、体表の冷却、経口的に水分・Naの補給
(2) Ⅱ度
≪症状≫
頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下
≪治療≫
医療機関での診療が必要 → 体温管理、安静、十分な水分とNaの補給(場合によっては点滴)
(3) Ⅲ度
≪症状≫
下記の3つのうちいずれかを含む
・中枢神経症状
・肝、腎機能障害
・血液凝固異常
≪治療≫
入院加療が必要 → 体温管理(体表冷却、体内冷却、血管内冷却など)、呼吸、循環管理、DIC治療

(厚生労働省「熱中症診療ガイドライン2015」

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/heatstroke2015.pdf)

1-4患者数

熱中症のニュースは毎年よく耳にするようになっていますが、具体的にどのくらいの患者数がいるのでしょうか。
総務省が発表した熱中症による救急搬送人員数(6~9月)年別推移は以下のようになっています。

平成22年…56,119人
平成23年…46,469人
平成24年…45,701人
平成25年…58,729人
平成26年…40,048人
平成27年…52,948人
平成28年…47,624人
(「平成28年の熱中症による救急搬送状況」 http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/h28/10/281012_houdou_2.pdf)

平成28年の年齢区分ごとの救急搬送人員数を見ると、高齢者の割合が50.0%と半数を占めています。
医療機関での初診時における傷病程度では、軽症が最も多い64.9%ですが、入院が必要となる中等症・重症の人も合わせて34.1%と高い数字であることがわかります。
月別の救急搬送人員数は、8月がもっとも多い21,383人、次いで7月が18,671人、9月が4,012人、6月が3,558人でした。
また平成27年からは5月分についても調査を行っており、2,904人(平成27年)、2,788人(平成28年)と、本格的な夏が始まる前の段階から熱中症で救急搬送される人が多くいることがわかります。

(2) 熱中症の原因

 2-1熱中症を引き起こす環境・からだ・行動

まず、熱中症を引き起こす原因としては環境・からだ・行動の大きく3つが挙げられています。

①環境

・気温が高い
・湿度が高い
・風が弱い
・日差しが強い
・冷房設備のない、閉め切った室内
・急な暑さ

気温や日差しが高い日には意識して熱中症予防に努める方も多いかもしれませんが、くもりの日であっても湿度が高い場合には汗が蒸発しにくく体温調整が難しいため、熱中症に注意が必要になります。
閉め切った室内も高温多湿になりやすいことから熱中症の危険性が高く、特に高齢者の熱中症の大部分は室内で起きていると言われています。
また梅雨明け前後など、急に暑くなった時は体が暑さに慣れていないために体温調整がうまく行われず、熱中症になることがあります。

②体質

乳幼児高齢者
肥満運動不足の方
二日酔いや寝不足など、体調不良の方
・下痢や発熱などによって、脱水気味の方
糖尿病心臓病、精神疾患など、持病のある方

熱中症には、なりやすい体質あるいは体の状態というものもあります。
乳幼児や高齢者、肥満の方や持病のある方など、元々体温調整機能が低い方は、日ごろから気を付けて熱中症対策をする必要があります。
そうでなくても、二日酔いや寝不足、風邪などいつもと体調が異なる場合には注意しましょう。

③行動

・激しい運動や慣れない運動
・長時間の屋外作業
・水分補給がしにくい状況

運動や屋外作業など、発汗量が大きくなる場合には体が脱水状態に陥りやすいので注意が必要です。

2-2暑さ指数とは

熱中症は暑さが原因となって起こる障害ですが、その暑さは気温のみで決まるものではありません。
そこで、関係する①湿度、②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、③気温の3つを取り入れた「暑さ指数(WBGT)」という指標が用いられるようになっています。
暑さ指数は1954年にアメリカで提案されたもので、日本では熱中症の危険度を判断する数値として環境省が2006年から情報提供しています。
環境省によれば、暑さ指数が28℃を超えると熱中症患者の発生率が急増するということです。
また、日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.3」(2013)では、以下のように分類されています。

25~28℃…警戒(運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。)
28~31℃…厳重警戒(外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。)
31℃以上…危険(高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。)

2-3室内でも熱中症になる?

熱中症は、真夏の屋外で起こるものだと思っている方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
室内にいるときにも熱中症に注意が必要です。
「年齢階級別・発生場所別患者数割合(2013年))によれば、熱中症の発生場所としては「住宅」が4割ほどを占めています。
特に高齢者の熱中症の半数以上が住宅で起こっていると言われています。

真夏の室内は、温度と共に湿度も高く、熱中症になりやすい環境にあります。
住宅の中でもお風呂やトイレ、火を使う台所、窓辺などは特に危険性の高い場所と言われています。
さらに室内にいるからと油断して水分補給を怠ったり、我慢して冷房を使わないでいたりすることも熱中症を引き起こす原因となります。
また、夜間の最低気温が25度以上の「熱帯夜」には就寝中にも熱中症になることがあり、注意が必要です。

住宅だけではなく、オフィスなどでも熱中症を発症するケースがあります。
閉め切った車内も非常に暑くなりますので、わずかな時間でも子供を車内に放置しないようにしてください。

2-4赤ちゃん・子供の熱中症

赤ちゃんや子供は大人に比べて体温調整機能が低く、熱中症になりやすいことで知られています。
子供は汗腺が未発達で発汗能力が大人よりも低いため、高温下では皮膚血流量を増大させて熱放散を行うことにより、体温調整を行います。
しかし気温が皮膚温を上回る場合にはこの熱放散がうまく行われずに体温が上昇してしまったり、皮膚に血液が集中することで脳貧血を起こしたりといったことがあると言われています。

また日差しの強い日には、地面に近い場所のほうが高温になります。
そのため大人よりも背の低い子供のほうが熱中症にリスクが高まるのです。
子供はまだ自分で衣服の調節や水分補給を行うことが難しいため、周りの大人が十分に注意をしてあげる必要があります。

2-5高齢者の熱中症

同じく熱中症のリスクが高い人として挙げられるのが、高齢者です。
高齢者が熱中症になりやすい原因の一つは、皮膚の温度感受性の鈍化です。
加齢によって「暑い」という感じる感覚が鈍くなるため、冷房を使ったり、衣服を調節したりといった対策が遅れがちになってしまうのです。
さらにそれに伴って皮膚からの熱伝導や発汗による体の体温調整機能も低下し、体温が上昇しやすくなるということも挙げられます。

もう一つ、高齢者は元々体内の水分量が少ないため、暑さによって発汗量が増えればますます脱水に陥りやすくなります。
加齢に伴いのどの渇きを感じにくくなる、トイレの回数が増えることを気にして水分補給を控えるなどといったことも、高齢者の熱中症を引き起こす原因となります。

2-6熱中症と水分不足

熱中症の大きな原因となるのが、水分不足です。
先にも述べたように、高温下では汗として水分を蒸発させることで体温を下げるという機能が私たちの体にはあります。
しかし発汗によって失われた水分や電解質がきちんと補われないと、口渇や尿量の減少、頭痛や吐き気、こむら返りなどといった体調不良が起こりやすくなります。

さらに発汗に見合う水分が補われない場合、体はこれ以上水分が不足するのを防ぐために、発汗をストップしてしまいます。
すると体温は上昇し続け、熱中症の重篤な症状が生じることになるのです。
室内にいる場合などは、それほど汗をかいていないように感じられる場合もありますが、じわじわとかいた汗によって大量の水分が失われていることもあります。
また、湿度が高いときは汗が蒸発しにくく、汗の量が増えていることも多いですので、注意が必要です。

(3) 熱中症の症状

 3-1熱中症の初期症状は?

熱中症は死に至ることもある恐ろしいものであり、早めの対処が必要だと言われます。
しかし気を付けなければならないのは、熱中症の初期症状は非常に自覚しにくく、軽い体調不良程度にしか感じないケースも多いということです。
ですからまずは熱中症になりやすい環境というものを頭に入れた上で、自分の体調の変化をこまめに観察する必要があります。
暑い日の屋外はもちろんですが、閉め切った室内にいるときや急に気温が上がった日にも注意しましょう。
さらに次のような症状が見られる場合には熱中症を疑ったほうがよいかもしれません。

・頭痛やめまい、立ちくらみ
・筋肉痛
・吐き気
・体温が高い
・皮膚や口腔の乾燥
・発汗量や尿量の減少

熱中症の代表的な症状については、この後詳しく見ていきます。

3-2めまい

熱中症が疑われる症状として、めまいや立ちくらみなどがあります。
これらの症状は従来の分類では「熱失神」に含まれます。
暑い時には体は皮膚に血液を集め、外気への熱放散を行います。
これによって脳への血液が不足することにより、めまいなどの症状が現れるのです。
熱放散によって体は冷やされるので体温はそれほど高くなりませんが、発汗量は多くなり、顔が真っ青になることもあります。
立ち仕事をしている時などは特に下肢に血液が溜まり、めまいなどが起こりやすいと言われています。
また、急に立ち上がったときには立ちくらみと共に失神してしまうこともありますので、注意が必要です。

3-3筋肉痛

熱中症の症状として、ふくらはぎなどの筋肉の一部に痛みが生じたり、攣ったりしてしまうことがあります。
これらは「熱けいれん」として分類されています。
熱けいれんは、汗を多くかいたり、水だけを多量に補給したりしたときに体内の塩分が不足することによって起こります。
通常、体温は平常です。
熱けいれんは特に暑い屋外での運動中・作業中などに多く見られると言われています。
通常は水分と塩分を補給することによって改善されますが、重度の場合は点滴による補給が必要になります。

3-4頭痛

熱中症の症状としては、頭痛もよく知られています。
高温下では皮膚に血液が集中することに加え、発汗によって体が水分不足になり、血液量が減少します。
すると脳に十分な栄養素や酸素が送られずに頭痛が起こると言われています。
熱中症の頭痛の症状は「熱疲労」に分類されます。
熱疲労にはそのほか虚脱感や倦怠感などといった症状も含まれます。
熱疲労の状態では体温は平熱、あるいはやや上昇しますが40℃を超えるようなことはありません。
熱疲労の状態を放っておくと熱射病に進行してしまいますので、適切な対処を心掛けましょう。

3-5嘔吐、下痢

同じく「熱疲労」に分類される熱中症の症状として、嘔吐や下痢が現れることもあります。
脱水によって血液量が不足し、内臓への血液量が減少することによりこのような不調が生じると言われています。
また、発汗によって水分と共に塩分も失われている時に水だけを補給してしまうと、体内の水分と塩分のバランスが崩れ、水分を体の外へ排出しようとして嘔吐や下痢が起こってしまうこともあります。
嘔吐や下痢が起こるとさらに体の脱水が進み、危険な状態になってしまうこともあります。
嘔吐などがひどい場合には経口での水分補給は避け、医療機関で輸液してもらう必要があります。

3-6熱

熱中症の症状が進み、体温調整機能が破たんすると、40℃を超えるような異常な高体温を示すことがあります。
このような状態は「熱射病」と呼ばれ、もっとも重い病態として位置付けられています。
体温が上昇した時には皮膚は熱く、赤くなり、乾燥しています。
体温調整機能が破たんしているために汗は出ません。
脳の機能障害が生じることで、呼びかけても反応が鈍い、日時や場所がわからなくなるなどといった症状が現れるほか、最悪の場合には昏睡状態に陥ります。
また、心臓や肝臓、腎臓などといった臓器にも損傷が及ぶこともあります。
このような場合には速やかに救急車を呼び、医療機関へ輸送することが必要です。

(4) 熱中症になったら

 4-1応急処置

自分あるいは周りの方が熱中症と疑われる状況に陥ってしまった場合、以下のような応急処置が求められます。

① 涼しい場所に移動する

熱中症になってしまった場合、まずは涼しい場所に移動します。
エアコンの効いた室内が理想ですが、難しい場合には風通しのよい日陰などに避難させましょう。

② 体を冷やす

衣服を緩めて風通しを良くし、皮膚からの熱放散をよくします。
また、うちわや扇風機などを使って体を冷やしましょう。
氷のうを使って首筋や脇の下、足の付け根などを冷やすとさらに効果的です。

③ 水分補給をする

自力で水分補給が可能な場合には、水分を補給します。
多量の発汗がある場合には、0.1~0.2%程度の塩分濃度の食塩水を補給するとよいと言われます。

4-2医療機関への輸送

次のような場合にはすぐに救急車を呼び、医療機関へ輸送することが必要です。

・意識がない
・自分で水分補給ができない
・激しいけいれんを起こしている

救急車が到着する間も体を冷やすなどの処置を行うことが、重症化を防ぐためには大切です。
医療機関へ輸送する場合には、状況のわかる人が同行し、どのような環境で・どのくらいの時間・どのような行動をし・どのような症状が現れたかなどといった情報を知らせることで、適切な治療が進めやすくなります。

熱中症から回復したと思っても、体力が低下していますからしばらくは安静に過ごすことが大切です。
また熱中症は再発しやすいとも言われていますから、より一層予防に努めることが必要になります。

(5) 熱中症の予防と対策

 5-1暑さ対策

熱中症を予防するためには、まず暑さへの対策を取る必要があります。
例えば次のような工夫をするとよいと言われます。

<屋外>

・日陰や涼しい場所を積極的に利用する
・屋外での運動・作業時には適宜日陰で休憩を取る
・天気予報や暑さ指数などをこまめにチェックして、無理のない行動計画を立てる

<屋内>

・エアコンや扇風機を利用して室温を調整する
・すだれや緑のカーテンを利用して日差しを遮る
・風通しをよくする

<衣服>

・吸湿性・速乾性に優れた衣服を着用する
・日傘や帽子などを着用して直射日光を防ぐ

5-2体調管理

熱中症には、その時の体の状態というのも大きく影響します。
風邪、下痢、二日酔いなどいつもと体調が異なる場合には熱中症のリスクも高くなりますから、暑い屋外での作業や運動は控えるようにしましょう。
十分な睡眠や朝食をしっかり取るといったことも熱中症予防のためには大切です。
急に暑くなった時などは、体が暑さになれていないために熱中症になりやすいと言われています。
ですから、暑さに備えた体づくりを心掛けましょう。
本格的に暑くなる前からウォーキングなどの運動を行い、汗をかく習慣を身に着けておくと、熱中症予防に役立つと言われています。
高齢者乳幼児、持病のある方など、元々熱中症のリスクが高い方に対しては、周囲が気を配ることも大切です。

5-3行動

熱中症の発生リスクが高い環境では、もちろん行動にも気をつけなければなりません。
日本体育協会によれば、暑さ指数31℃以上の時には原則運動は中止すべきレベルとして分類されています。
それ以下の場合にも、激しい運動は避けると共に、運動中は頻繁に休息を取り、水分や塩分を補給することが熱中症予防のためには欠かせません。
職場が屋外や高温多湿である場合にも、激しい作業は控えると共に、涼しい場所での休息や水分補給を意識して行う必要があります。
集団での運動や作業中には無理をしてしまうことも多いので、責任者を置いて適切な指示が行えるようにしておきましょう。
また、お互いの体調に注意し合って行動することも大切です。

5-4対策グッズ

熱中症発生数の増加に伴い、様々な熱中症対策グッズも登場しています。
おしゃれで使い勝手の良いアイテムも増えていますので、これらを上手に活用して楽しく熱中症予防・対策をしてみてはいかがでしょうか。

・通気性や吸汗性のよい衣服
・直射日光を防ぐための帽子や日傘
・冷却効果のあるタオル
・塩分が含まれたドリンク、キャンディ
・外出先でもすぐに使える冷却材・冷却スプレー
・熱中症になりやすい環境がわかる携帯温度計
・室内での熱中症を防ぐためのすだれや緑のカーテンになる植物 など

(6) 熱中症を予防する水分補給の仕方

熱中症予防・対策のために特に重要なこととして、水分補給が挙げられます。
でも、何をどのくらい飲めばよいのかわからないという方も多いかもしれませんね。
そこで、熱中症を予防するための水分補給の仕方について具体的に見ていきたいと思います。

6-1何を飲むか

熱中症の予防・対策のための飲み物としてもっとも良いのは「水」です。

ジュース類には糖分が多く含まれており、体内への水分の吸収が妨げられるほか、「ペットボトル症候群」と呼ばれる急性の糖尿病を引き起こす恐れがあります。
また、コーヒーや緑茶といったカフェインが含まれた飲み物、ビールなどのアルコール類は、利尿作用が強く、水分補給をしたつもりでもすぐに体外に排出されてしまいます。
普段水を飲む機会が少ないという方も多いかもしれませんが、熱中症予防のためにはぜひ意識をして水を飲んでいただきたいと思います。

ただし運動などによって多量の汗を失った場合には、水分だけではなく体内の塩分も減少し、筋肉のけいれんなどを引き起こすことがあります。
この場合には0.1~0.2%程度の塩分濃度の食塩水やナトリウム含有量40~80mg/100mlの飲料を補給するようにしましょう。

6-2どのくらい飲むか

まず、私たちが生活する上で1日に必要な水の量はどのくらいなのでしょうか

私たちの体からは、次のような形で水分が失われています。
尿:1200ミリリットル
便:100ミリリットル
不感蒸泄:1000ミリリットル

次に、私たちが体に取り込む水には次のようなものがあります。
食事:800~1000ミリリットル
代謝水:300ミリリットル

体内の水分量を保つためには、私たちは日々およそ1200ミリリットルを飲み物として補給する必要があるということです。

しかしこの中には、汗の分が含まれていません。
運動をしている場合や高温下では、汗として水分が失われるため、+αの水分補給が必要になります。
汗の量は運動量や気温、体質などによって異なりますが、運動前後の体重を測定することによってその目安を知ることができます。
運動後には体重減少量の7~8割を目安に水分補給を行うようにしましょう。

6-3どのように飲むか

どのように水分を補給するかということも、大切な問題です。
喉がカラカラに渇いてから水を飲むという方も多いかもしれませんが、喉の渇きを感じるときはすでに脱水が始まっています。
ですから、熱中症を予防するためには喉が渇く前に意識的に水分補給を行う必要があります。

まず、運動を始める前、暑い場所に出かける前にはあらかじめ水を飲んでおきましょう。
運動中は15~20分ごとに休憩を取り、水分を補給します。
運動前に水道の場所を確認したり、容器入りの水を手元に置いておいたりしていつでも水分補給ができるようにしておくと、熱中症予防に役立ちます。
一度に大量の水を飲むと内臓に負担がかかりますので、コップ一杯程度の水をこまめに飲むことが大切です

実際に熱中症が疑われる症状が現れた場合、涼しい場所に移動して体を冷やすと共に、水分と塩分の補給が必要になります。
高齢者乳幼児、意識障害がある、嘔吐してしまうなど自力での水分補給ができない場合には、無理に水を飲ませると危険ですので、すぐに医療機関へ運び輸液してもらうようにしてください。

(7)まとめ

それでは最後に、熱中症についてまとめておきます。

・熱中症とは、高温下で体温の調整ができなくなったり、体内の水分量が不足したりすることによって起こる障害のこと
・熱中症は、高温・多湿などの「環境」、高齢、持病の有無などといった「からだ」、激しい運動などの「行動」が原因となって起こる
・熱中症の症状には、立ちくらみやこむら返り、頭痛、吐き気、意識障害や高体温など様々なものがある
・熱中症が疑われる場合には、涼しい場所に移動して体を冷やし、水分や塩分を補給するほか、重度の場合には医療機関へ輸送する
・熱中症予防のためには暑さ対策や体調管理、行動に気を付ける必要がある
・熱中症にならないためには、喉が渇く前に意識的に水分補給を行う必要がある

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参考文献:

環境省 熱中症予防情報サイト
⇒http://www.wbgt.env.go.jp/
環境省 「熱中症環境保健マニュアル2014」
⇒http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/full.pdf
厚生労働省 「熱中症予防のために」
⇒http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/nettyuu_leaflet26.pdf
厚生労働省 「「熱中症診療ガイドライン2015」
⇒http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/heatstroke2015.pdf
総務省消防庁 熱中症情報
⇒http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList9_2.html

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