アルコール性肝障害 お酒の飲み過ぎによって起こる、3つの病気

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「酒は百薬の長」という言葉があるように、健康と酒
適量のお酒は体にも心にも良い効果を
及ぼすことが知られています。
しかし、お酒の飲み過ぎが体にとって良くないというのも
よく知られている通りです。

お酒の飲み過ぎによって特に大きなダメージを受けやすいのが、肝臓。
過度のアルコールは、脂肪肝や肝硬変といったアルコール性肝障害を
引き起こすと言われています。

西欧諸国に比べて飲酒量が少ないと言われてきた日本でも、
近年ではその量が増加していると言われています。
そんな現代に知っておきたい、アルコール性肝障害の実態をまとめました。

目次

(1)アルコール性肝障害とは
(2)アルコール性肝障害のいろいろ
2-1脂肪肝
2-2肝炎
2-3肝硬変
(3)アルコール性肝障害の治療
(4)まとめ

(1)アルコール性肝障害とは

アルコール性肝障害とは、アルコールの過剰摂取によって生じる肝臓の疾患の総称です。

肝臓は、私たちの体の中でももっとも大きな臓器で、重さは1.0kgほどになります。
肝臓は何千という酵素を使って500以上の化学反応を短時間で行うことができる臓器であり、
私たちが生命を維持する上で欠かすことができないものです。

肝臓の働きの一つに、アルコールの分解があります。
お酒を飲むことによって摂取したアルコールは、およそ90%が肝臓で分解されると言われています。

アルコールはまず、肝細胞のアルコール脱水酵素(ADH)によって
有害物質であるアセトアルデヒドへと分解されます。
お酒を飲んで顔が赤くなったり、動悸や頭痛が起きたりするのは、
このアセトアルデヒドが原因の一つであると考えられています。
アセトアルデヒドはさらにアセトアルデヒド脱水酵素(ADHL)によって
無害な酢酸へと分解されます。
酢酸は血液に乗って全身を巡る中で、水と二酸化炭素に分解され、体外へ排出されていくのです。

多量の飲酒を続けると、肝臓は常にオーバーワークを強いられます。
また、アルコールの分解によって生じたアセトアルデヒドが肝臓を傷つけることもあります。
これによって、肝障害が起こってしまうのです。

肝臓は非常に強い臓器であり、ダメージを受けても再生することができます。
少しくらいの障害が生じても症状がほとんど現れないことから、
「沈黙の臓器」とも呼ばれています。
一方で、症状が現れたときにはすでに病気が進行しているということもあり、
注意の必要性が叫ばれているのです。

(2)アルコール性肝障害のいろいろ

アルコール性肝障害には、次のような段階があります。

2-1脂肪肝

アルコール性肝障害の中でも最初に生じるのが、脂肪肝です。
脂肪肝とは、肝臓に脂肪が溜まった状態で、
アルコールを分解する過程で中性脂肪が合成されることによって起こりやすいと言われています。
脂肪肝の状態では自覚症状がほとんどなく、超音波検査などで発見されるケースが多いです。
アルコールによるもの以外に、肥満や糖尿病によるものも増えています。
アルコールが原因の場合は飲酒をやめれば短期間で改善しますが、
飲酒を続けた場合にはさらに重篤な症状へと進行していくことがあります。

2-2アルコール性肝炎

脂肪肝の状態でも飲酒を続けていると、
肝細胞が壊死して炎症が起こるアルコール性肝炎へと進行します。
症状は疲労や発熱、黄疸、腹痛などがあります。
中には、連日大量の飲酒を続けることによって肝炎が急激に悪化し、
肝機能不全となる「重症型アルコール性肝炎」というものもあります。
重症型アルコール性肝炎になると、肺炎や急性腎不全、消化管出血などを合併し、
1ヶ月以内に死亡するケースが多いと言われており、注意が必要です。
アルコール性肝炎を発症している方の中にはアルコール依存症に陥っている方も多く、
このまま飲酒を続けることによって肝硬変へと進行する危険性が指摘されています。

2-3肝硬変

アルコール性肝障害の最終段階とも言えるのが、肝硬変です。
肝硬変は、肝細胞が壊死と再生を繰り返した結果線維状になり、
肝臓が硬く小さくなった状態を言います。
症状は吐き気や腹部膨満感、全身倦怠感などに始まり、
重症化すると黄疸や腹痛、意識障害などが生じることもあります。
厚生労働省によると、
日本酒を毎日7合、
10年以上飲み続けた場合には約20%、
15年以上では約50%が
肝硬変になると言われています。
※e-ヘルスネット(厚生労働省) 「アルコールと肝臓病」を参考にしています。

(3)アルコール性肝障害の治療

アルコール性肝障害の治療の基本は、禁酒です。
アルコールが肝障害を起こす直接的な原因というのが明らかなわけですから、
まずはその原因を取り除く必要があります。

脂肪肝の場合、1ヶ月も禁酒をすれば治ることが多いと言われています。
ただし治ったからと言ってまた元のペースで飲酒をしていると、
あっという間に脂肪肝が再発してしまいますので注意しましょう。

アルコール性肝炎まで進行している場合は、禁酒に加えて入院治療が必要になることもあります。
安静にして栄養バランスの取れた食事をすることが治療の基本ですが、
食欲がない場合には点滴が行われたり、重症例ではステロイドなどの薬剤が
用いられたりすることもあります。

肝硬変自体は、一度なってしまうと治すことはほぼ不可能と言われています。
しかし肝硬変になってしまっても、
断酒をすれば、
肝臓の機能を回復させ、
命を落とさずに済むことは可能となります。

アルコール性肝障害を発症しているような場合には、
アルコールへの依存傾向が見られることが多いです。
禁酒をするためには、自分自身の努力も必要ですが、
家族や専門機関などの協力を得ながら依存状態を解消していくことも勧められます。

(4)まとめ

それでは最後に、アルコール性肝障害についてまとめておきたいと思います。

・アルコールの過剰摂取で肝臓に負担をかけることにより、アルコール性肝障害が起こることがある
・アルコール性肝障害の初期段階は脂肪肝であり、症状は少なく回復も早いが、
放っておくと進行しやすい

・アルコール性肝炎になると、黄疸や腹痛などの症状が現れるほか、重症の場合死亡することもある
・アルコール性肝障害の最終段階は肝硬変であり、肝臓が縮小硬化して肝機能不全となる
・アルコール性肝障害の治療の基本は禁酒であり、それにより肝機能はほぼ回復可能である

参考文献:

e-ヘルスネット(厚生労働省) 「アルコールと肝臓病」
⇒ http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-002.html
Merck Manuals Online Medical Library 「アルコール性肝疾患」
⇒ http://merckmanual.jp/mmpej/sec03/ch025/ch025a.html
Yahoo!Japan ヘルスケア 「アルコール性肝障害」
⇒ http://medical.yahoo.co.jp/katei/180501000/?disid=180501000

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