胃腸炎にならない、広げないために! 5つのポイントを知ろう

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「胃腸炎流行」のニュース、毎年のように耳にしますよね。胃もたれ
激しい下痢や嘔吐などの症状に代表されるこの病気は、
感染力が非常に強いことからも恐れられています。

胃腸炎の流行を防ぐためには、一人一人が正しい知識を持つことが大切。
その原因やかかってしまったときの対処方法、効果的な予防方法を知り、
拡大を防ぐよう努める必要があります。

胃腸炎にならない、広げないために、知っておきたい知識をまとめました。

目次

(1) 胃腸炎とは
(2) 胃腸炎の原因
  2-1ウイルス
  2-2細菌
  2-3寄生虫
  2-4非感染性胃腸炎
(3) 胃腸炎の症状
(4) 胃腸炎の治療
(5) 胃腸炎の予防
(6) まとめ

(1) 胃腸炎とは

胃腸炎とは、消化管(胃および小腸、大腸)が炎症を起こした状態を言います。
下痢、嘔吐などが代表的な症状で、症状の現れ方は突然で激しいのが特徴です。

胃腸炎は、ウイルスや細菌などの微生物による「感染性胃腸炎」がその大半を占めます。
感染経路には次のようなものがあります。

・汚染された食品を摂取することによる感染
・感染者の嘔吐物や便に触れた手で口に触れることによる感染
・食品を取り扱う人が感染しており、それによって汚染された食品を食べることによる感染
・微生物に感染している動物に触れることによる感染

人から人への感染力が強いことから、地域での流行が見られるほか、学校や医療機関、福祉施設など集団生活が行われている場所で大量発生することがあります。
抵抗力の弱い乳幼児高齢者は感染すると重症化しやすいことから、注意が必要とされています。
感染性胃腸炎は一年を通して発症しますが、ノロウイルスによる胃腸炎を中心に、冬場が流行のピークとなります。

これ以外に、毒性のある化学物質などを摂取することによって起こる非感染性胃腸炎もあります。

(2) 胃腸炎の原因

 2-1ウイルス

胃腸炎の原因で多いのがウイルスであり、特に小児の胃腸炎の大半はウイルスによるものとされています。
「お腹の風邪」や「胃腸風邪」、「嘔吐下痢症」などとも呼ばれることがあります。
原因となるウイルスは主に以下の4つです。

・ノロウイルス

成人の胃腸炎の主原因であり、毎年流行のニュースが聞かれるようになっています。
ノロウイルスに汚染されたカキなどの二枚貝を食べたり、井戸水を飲んだりすることで感染します。
感染力が非常に強いため、便や嘔吐物に触れた手指などを介して人から人へと広がっていきます。
嘔吐や下痢などの症状が代表的で、通常数日で回復しますが、高齢者などでは重症化したり、嘔吐物が気道に詰まって死亡するケースもあるため注意が必要です。

・ロタウイルス

乳幼児の胃腸炎の大半を占めるのが、ロタウイルスによるものです。
感染力が非常に強く、わずかなウイルスが体内に入っただけでも感染します。
乳幼児期には激しい症状が出るため、脱水を起こして入院が必要になることも多くあります。
大人にも感染することがありますが、症状が出ないか、出ても軽症で済むことがほとんどです。

・腸管アデノウイルス

アデノウイルスには現在51種類の型が知られており、プール熱(咽頭結膜熱)やはやり目(流行性角結膜炎)のほか、肺炎や膀胱炎など様々な症状を引き起こす原因として挙げられています。
その中でも胃腸炎を引き起こすのは、40・41型の「腸管アデノウイルス」と呼ばれるものです。
腸管アデノウイルス性胃腸炎は3歳未満の乳幼児が特に発症しやすいと言われています。
ロタウイルスによる胃腸炎が冬から春先にかけて発症しやすいのに対し、腸管アデノウイルスによるものは季節を問わず一年中発症しやすいという特徴があります。

・アストロウイルス

それほど頻度は多くありませんが、アストロウイルスによる胃腸炎というのもあります。
どの年代でも感染することはありますが、特に小児に多く見られます。
主な症状は嘔吐や下痢ですが、ノロウイルスなどと比べると症状は軽いと言われています。

2-2細菌

ウイルス性胃腸炎ほど多くありませんが、細菌が原因となる胃腸炎もあります。
牛や豚、鶏などの家畜が保菌していることが多く、加熱が不十分なままの食肉や卵、殺菌されていない牛乳などから感染するケースが見られます。
また汚染された水などによっても感染することがあります。
いわゆる「食中毒」の多くが細菌性の胃腸炎です。
ウイルス性胃腸炎が冬場に流行しやすいのに対し、夏場に起こりやすいのが特徴です。
また、菌を保有しているペットを触れることによって感染することもあります。

・病原性大腸菌(O-157など)
・サルモネラ菌
・腸炎ビブリオ
・カンピロバクター など

2-3寄生虫

腸に寄生し、腸粘膜に取り付いたり侵入したりすることで下痢などの体調不良を引き起こします。
汚染された水を飲むことなどによって感染するもので、開発途上国で多く見られるものもありますが、世界中どこでも起こることがあります。

・ランブル鞭毛虫
・クリプトスポリジウム
・アメーバ など

2-4非感染性胃腸炎

毒キノコやフグなど、ある種の植物や魚類が産出する毒素を摂取したり、ヒ素やカドミウムなど毒性の化学物質で汚染された食物や水を摂取したりすることによって起こる、非感染性胃腸炎もあります。
このほか、食品内で毒素を産出して胃腸炎を起こす原因菌としてボツリヌス菌や黄色ブドウ球菌などが知られています。
これらは食品の保存状態が悪いと繁殖しやすいと言われており、十分な加熱調理や低温保存が求められます。

また、抗生物質や制酸薬などといった一部の薬は副作用として胃腸炎が起こることもあります。
ただし自己判断で薬の服用を止めてしまうのはよくありません。
本当に薬が原因なのか、薬の服用を中止したほうがよいのかといったことについては医師とよく相談するようにしましょう。

(3) 胃腸炎の症状

胃腸炎の症状の現れ方や程度には、原因となる微生物や毒素の種類、また個人の抵抗力によっても異なります。
代表的な症状としては、次のようなものがあります。

・下痢

下痢は成人の胃腸炎の症状として多く見られます。
水様性の便が頻回起こりますが、重症化すると便に血液や粘液が混じることがあります。
下痢は原因となるウイルスなどを体外に排出するために起こるものなので、下痢止めは服用しないほうがよいとされています。

・腹痛

下痢とともに腸が痙攣したり、ガスで膨らんだりして、痛みを感じることもあります。

・嘔吐

小児の胃腸炎では嘔吐が多く見られます。
吐き気とともに突然激しい嘔吐が起こりますが、通常は半日ほどで治まります。
嘔吐の後で下痢が起こることもあります。

・発熱

胃腸炎では発熱が起こる場合もあります。
多くは37℃程度の微熱ですが、ウイルス性の胃腸炎では39℃程度の高熱が出ることもあります。
また、風邪のような上気道の症状が見られるケースもあります。

・白い便

ロタウイルスを原因とする胃腸炎の代表的な症状です。

健康な人であれば2~3日で自然と症状が消えることも多いですが、高齢者や乳幼児は重症化することもあります。
特に気をつけなければならないのが、下痢や嘔吐による脱水状態です。
尿や涙が出ない、口が渇く、また全身の脱力感などは脱水の典型的な症状ですので注意が必要です。
血圧の低下や意識障害が見られることもあります。

また、通常は感染してから症状が現れるまでに1~3日ほどの潜伏期間があります。
この間に二次感染が起きている可能性もありますので、感染者と接触があった場合には注意深く経過を観察する必要があります。

(4) 胃腸炎の治療

胃腸炎には特別な治療法はなく、安静にして自然治癒を待つというのが基本です。
合わせて、次のような点に気を付けましょう。

・水分補給

胃腸炎では下痢や嘔吐により脱水状態となるため、こまめに水分補給を行う必要があります。
嘔吐や下痢が治まらない場合でも、なるべく少量ずつ補給していくようにしましょう。
症状がひどい場合には、水ではなく、電解質や糖分の含まれた飲料を補給するとよいと言われます。
特に小児の胃腸炎では脱水が起こりやすいため、周囲が気を付けて水分補給をさせることが大切です。
症状が治まってきたら、すりおろしたりんごやおかゆなど、消化の良いものから少しずつ食べ始めます。

・病院を受診する目安

乳幼児や高齢者で経口補水が難しい場合、脱水が進行してぐったりしている場合などは、速やかに医療機関を受診しましょう。
必要に応じて点滴による補水が行われることもあります。
また、高齢者は嘔吐物が気管に詰まって肺炎を起こしやすいため、注意深く様子を観察する必要があります。

・胃腸炎の薬は?

下痢や嘔吐は病原体を排出するために起こっているものであり、市販の下痢止めや胃腸薬などを使用してしまうと回復が遅れることがありますので注意しましょう。
激しい嘔吐が続いている場合、医師の判断により制吐薬が処方されることもあります。

胃腸炎では、症状が治まっても体内にウイルスや菌が残っていることが多いです。
そのためしばらくは安静にし、手洗いやマスクをするなどして人に感染させないよう努めることが大切です。
学校などでは、感染性胃腸炎に対して出席停止期間を設けているところもあります。

(5) 胃腸炎の予防

胃腸炎でもっとも大切なことは、発症、また人から人への感染を予防することです。
一人一人がきちんと意識して予防に努めることによって、流行を防ぐことが可能になります。
具体的には、次のような方法があります。

・予防接種

ロタウイルス感染症を予防する経口ワクチンがあり、アメリカなどでは定期接種として使われていますが、日本では任意接種となっています。
ノロウイルス感染症を予防するワクチンは現在のところありません。

・調理時の注意点

食べ物からの感染を防ぐためには、肉や卵、カキなどの二枚貝は十分に火を通すことが求められます。
調理をする際は石鹸で手をよく洗い、調理器具は洗剤で十分に洗浄するほか、必要に応じて塩素消毒を行うようにしましょう。
特に生肉を扱った後の手や調理器具はしっかりと洗浄します。
食品を取り扱う人は、少しでも胃腸炎が疑われる症状がある場合には作業を中止する必要があります。

・嘔吐物や便の処理

胃腸炎の感染経路として特に多いのは、感染者の嘔吐物に触れたことによるものです。
特にノロウイルスは便1gに1億個以上、嘔吐物1gに100万個以上含まれるとも言われていますから、わずかでも付着しないよう注意が必要です。
まず、嘔吐物や便を処理する際には、使い捨ての手袋やエプロン、マスクなどを着用します。
嘔吐物や便の中のウイルスが飛び散らないよう、ペーパータオルなどで静かに拭き取り、ビニール袋などに密閉して廃棄します。
汚れた場所は次亜塩素酸ナトリウムで拭き取った後に水拭きをするとより効果的です。
乾燥したウイルスが空気中に舞うことがあるので、処理後は十分に換気を行うようにしてください。

・手洗いの慣行

直接便や嘔吐物を処理した場合でなくても、間接的にこれらに触れて胃腸炎に感染してしまうことがあります。
胃腸炎の流行期には、帰宅時や食事の前、トイレの後などこまめに手洗いをすることが勧められます。
石鹸を十分に泡立て、爪の間や手首なども洗った後、流水でしっかりとすすぎます。
手拭きには共用タオルではなく、ペーパータオルを使うとよいでしょう。

(6) まとめ

それでは最後に、胃腸炎についてまとめておきます。

・胃腸炎とは、胃や腸が炎症を起こして下痢や嘔吐などの症状を起こすもの
・胃腸炎には、ウイルス、細菌、寄生虫などによる感染性のものと、毒素などによる非感染性のものとがある
・下痢や嘔吐、腹痛のほか、発熱や風邪のような症状が見られることもある
・感染したら水分補給をしながら安静に過ごすのが基本だが、重症の場合は医療機関を受診する
・感染者の便や嘔吐物の処理方法、調理の仕方、手洗いなどに十分気を付けて、胃腸炎の感染を予防することが大切

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参考文献:

メルクマニュアル医学百科家庭版 「胃腸炎の基礎知識」

http://merckmanuals.jp/home/%E6%B6%88%E5%8C%96%E5%99%A8%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E8%83%83%E8%85%B8%E7%82%8E/%E8%83%83%E8%85%B8%E7%82%8E%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E7%9F%A5%E8%AD%98.html

東京都感染症情報センター 「感染性胃腸炎」
⇒http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/gastro/
厚生労働省 「感染性胃腸炎(特にノロウイルス)について」
⇒http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/norovirus/

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