十二指腸潰瘍の症状・原因・治療法

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十二指腸潰瘍という病気をご存知でしょうか。

日本では最近十二指腸潰瘍を発症する方が増えていると言われます。
上腹部の痛みのほか、胸やけや吐き気など、その症状はさまざま。
十二指腸潰瘍だと気が付かず、単なる胃の不調で済ませている方もいるかもしれません。

十二指腸潰瘍とはどんな病気?
考えられる原因は?
検査方法や治療方法にはどのようなものがある?

知っておきたい十二指腸潰瘍の知識をまとめました。

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<目次>

十二指腸潰瘍とは
起こる仕組み

症状
原因
検査と治療
まとめ 

十二指腸潰瘍とは

十二指腸潰瘍とは、十二指腸の粘膜の一部が損傷した状態です。
同じく胃の粘膜が傷つき、損なわれた状態を「胃潰瘍」と言い、この2つをまとめて「消化性潰瘍」と呼ぶこともあります。

一般的に「潰瘍」とは、粘膜下層より深い組織に欠損が生じたものを指します。
その手前、粘膜層のみの障害は「びらん」と呼ばれています。
潰瘍が進行し、粘膜よりも下の筋層や漿膜に損傷が及んで壁に穴が空いた状態は「穿孔性潰瘍」となります。
穿孔性潰瘍になると消化物が流れ出して炎症を起こし、命に関わることもあるため、すぐに治療が必要です。
十二指腸壁は胃壁に比べて筋層が薄いため、進行が早く、特に注意が必要であるとも言われています。 

十二指腸潰瘍が起こる仕組み

胃は、内容物の腐敗を防ぐためにpH1~2の強い酸性液である胃酸を分泌しています。
同時に、胃酸の攻撃によって自身の内壁が傷つけられてしまわないように、粘液を分泌することで防御しています。
しかし何らかの原因でこの攻撃と防御のバランスが崩れると、胃酸によって粘膜が傷つけられ、潰瘍が起きてしまうのです。

胃潰瘍は、特に胃粘膜の防御機能が弱まることによって起こりやすいと言われています。
それに対して、十二指腸の粘膜の防御機能は元々胃粘膜の防御機能ほど強くはありません。
ですから胃酸が多く分泌されると、それが防御機能の弱い十二指腸粘膜を傷つけ、潰瘍を起こしてしまうのです。
そのため十二指腸潰瘍は胃に近い部分で特に多く発生しやすくなっています。

かつて日本では胃潰瘍が多く、欧米では十二指腸潰瘍が多いと言われてきました。
しかし最近では日本でも十二指腸潰瘍を発症する人が増えており、背景には食生活の欧米化などが関係しているとも言われています。
また、一般的に胃潰瘍は40代以降の方に多く見られるのに対し、十二指腸潰瘍は20~30代の若年層に発症者が多いことが知られています。

参考:
「知って得する病気の知識 胃潰瘍と十二指腸潰瘍」日本医師会ホームページ
https://www.med.or.jp/chishiki/i/004.html

十二指腸潰瘍の症状

十二指腸潰瘍の症状には、以下のようなものがあります。

・上腹部の痛み

胃潰瘍の場合にも上腹部の疼痛がありますが、胃潰瘍がみぞおち付近の痛みであるのに対し、十二指腸潰瘍では右上腹部や背中が痛むことが多いと言われます。
また胃潰瘍は胃に入った内容物が潰瘍を刺激することで食後に痛みが生じやすいのに対し、十二指腸潰瘍は分泌された胃酸によって潰瘍が刺激されるため食前に痛みが生じやすく、食事を取ることによって痛みが和らぐと言われています。

⇒胃潰瘍とは 症状や原因、治療法を知ろう 詳しくはこちら

・胸やけ、呑酸

胃酸過多になることで胸焼けや吞酸(すっぱいものがこみ上げてくる)などの症状が見られます。

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・吐き気、食欲不振

十二指腸の胃に近い部分に潰瘍ができることにより、通り道が狭くなり、胃に内容物が長く留まるため、吐き気や食欲不振が起こることがあります。

・吐血、下血

十二指腸潰瘍は重症化すると、潰瘍部分からの出血による吐血や下血が見られることもあります。

十二指腸潰瘍の原因

十二指腸潰瘍の原因としては次のようなものが挙げられます。

・ピロリ菌

ピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の主な原因としても知られるようになってきた細菌です。
ピロリ菌は強い酸性の胃の中でも生息可能であり、有毒物質を排出して胃粘膜を傷つけ、バリア機能を弱めてしまうと言われています。
ピロリ菌による十二指腸潰瘍は胃に近い部分にできやすいという特徴があります。

ピロリ菌は5歳以下の乳幼児が感染しやすく、衛生環境が整っていない時代に子供であった高齢者ほど感染率は高くなっています。
実際、日本では50代以上のおよそ半数がピロリ菌に感染していると言われています。

⇒ピロリ菌って何?病気との関係、検査・除菌方法 詳しくはこちら

・非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)

ピロリ菌以外の原因としては、風邪や関節痛などの治療に使われる非ステロイド系抗炎症薬が挙げられます。
非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)は、胃酸から粘膜を守る上で重要な働きをしている「プロスタグランジン」の合成を抑制する作用を持っており、粘膜の防御機能を弱めて潰瘍を生じやすくすると言われています。
非ステロイド系抗炎症薬が原因の十二指腸潰瘍は、症状が出ないまま進行し、突然出血などが起こることも多いと言われており、注意が必要です。

・その他の原因

そのほかにも、十二指腸潰瘍を起こす原因がいくつかあります。
例えばストレスは胃酸の分泌を高めることが知られています。
ストレスが直接十二指腸潰瘍を引き起こすわけではありませんが、ピロリ菌感染やNSAIDsの服用など、ほかにも原因を持っている方はストレスが引き金となって十二指腸潰瘍が起こることもあります。
また、喫煙は粘膜の血流を低下させて防御機能を弱めます。
アルコールや香辛料などといった刺激物の取りすぎ、食べすぎなども胃酸と粘膜の攻撃と防御のバランスを崩し、潰瘍を起こす原因となります。

⇒ストレスが胃のトラブルを引き起こす!? 気になる4つの関係 詳しくはこちら
⇒お酒の飲み過ぎによって起こる、3つの病気 詳しくはこちら

参考:
「胃潰瘍・十二指腸潰瘍(消化性潰瘍)」時事メディカル 家庭の医学
https://medical.jiji.com/medical/013-0034-01

十二指腸潰瘍の検査と治療

十二指腸潰瘍が疑われる場合、次のような検査を行います。

・X線検査

バリウムと呼ばれる造影剤を飲んでからX線を照射し、潰瘍の場所を観察します。

・内視鏡検査

小型のカメラが付いた内視鏡を挿入して、十二指腸内部を観察し、潰瘍の深さや進行度を診断します。
組織の採取や止血などの処置も行うことができます。
内視鏡によって採取した組織をより詳しく検査することもあります。

・ピロリ菌検査

内視鏡検査によって採取した組織の中にピロリ菌がいるかどうかを調べるほか、血液や尿からピロリ菌の抗体の有無を調べる検査、尿素を含んだ検査薬を飲んだ後の呼気中の二酸化炭素の比率からピロリ菌の有無を調べる検査などがあります。

これらの検査の結果、治療方針が決められます。

十二指腸潰瘍の治療方法は、まずピロリ菌感染の有無によって大きく分けられます。
ピロリ菌の感染が確認された場合には、ピロリ菌除去治療が優先して行われることになります。
2種類の抗菌薬と1種類の胃酸分泌薬を1週間服用し、間隔を空けてピロリ菌の有無を検査します。
1回目の治療で除菌できなかった場合には薬を変えて2回目の治療を行います。

ピロリ菌感染が確認されなかった場合には、薬物治療が行われます。
胃酸の分泌を抑制する薬に加えて、粘膜を保護する薬が用いられる場合もあります。
現在では、これらの薬を服用することでほとんどの場合は手術をしなくても治療することが可能となっています。
ただし十二指腸潰瘍は再発しやすいため、症状がなくなっても一定期間薬を飲み続けるといった治療法(維持療法)が取られることもあります。

これ以外に、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)が胃潰瘍の主な原因となっている場合には、服用を中止することが予防・治療の第一歩となります。
また、禁煙や食生活の見直し、ストレスの軽減など、日常生活を見直すことも十二指腸潰瘍の治療のためには大切です。

⇒ピロリ菌って何?病気との関係、検査・除菌方法 詳しくはこちら

参考:
「特集2 胃の病気 自己判断せず、受診・検査を」全日本民医連
https://www.min-iren.gr.jp/?p=3853

まとめ

それでは最後に、十二指腸潰瘍についてまとめておきます。

・十二指腸潰瘍は、十二指腸の粘膜の一部が損傷した状態を言う
・症状には、空腹時の上腹部痛のほか、胸やけ、吐き気、ひどい場合には吐血や下血といったものがある
・十二指腸潰瘍の最大の原因はピロリ菌で、このほか薬剤やストレスが関係している場合もある
・十二指腸潰瘍の治療法には、ピロリ菌の除去治療、または薬物治療などがある

参考文献:

「知って得する病気の知識 胃潰瘍と十二指腸潰瘍」日本医師会ホームページ
https://www.med.or.jp/chishiki/i/004.html
「胃潰瘍・十二指腸潰瘍(消化性潰瘍)」時事メディカル 家庭の医学
https://medical.jiji.com/medical/013-0034-01
「特集2 胃の病気 自己判断せず、受診・検査を」全日本民医連
https://www.min-iren.gr.jp/?p=3853
別冊NHKきょうの健康 「「胃もたれ・胸やけ」は治せる」 監修 三輪洋人
成美堂出版 「胃腸・肝臓などのしくみと病気がわかる事典」 監修 安藤幸夫・西尾剛毅

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